Vol.134 富士山は穏やかでいて、厳しい

いつかは登りたい気持ちを持ちつつもタイミングを失っていた富士山登山。なにか新しい挑戦がしたいと思っていた矢先、声がかかった時には二つ返事で受けていた。

登り始めは、ハイキング気分で余裕をかましていたが、だんだん上り坂がきつくなってくる。早く歩くこともつらくなってくる。まぁ、ゆっくりいこう、ペースを保ち無理せず、体力を温存しながらも登頂することが最終目標なのだから。

途中、妹には登山が苦行にしか思えなかったらしく、序盤で「みんな何考えて山登るんだろう」と呟いていた。とても印象的な言葉だったけれど「それ考える必要のないやつ」とわたしはピシャリと言った。意味なんてあとで考えればいい。

登り続けること7〜8時間、体力の限界を何度も感じ宿泊の山小屋までにだいぶ時間がかかってしまった。それでもそこまで登ることができたのは、だんだんと空に近づいていく間の景色にすっかり魅了され感動し、パワーを感じられたこと、自分ひとりが苦しいわけではなくたくさんの登山者が苦しそうになりながらも上を目指していたことが大きかったからだと今は思う。

着いた山小屋で妹が高山病になってしまった為、登頂を諦め下山することを選択したわたしたちは、その場所からのご来光を見た。雑念や思いなどなにもなく無心にその眩しい太陽に釘付けだった。そして頂上からのご来光を見るにはまだまだ試練が足りないぞ、と言われた気がした。

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